醉心山根本店の創業は万延元年(1860年)。明治中期、約20あった銘柄を統一されようとした二代目山根英三社長の夢枕に現れた白髪の老人の言により「醉心(よいごころ)」と命名されました。以降「醉心(すいしん)」と呼ばれるようになりました。
大正8年から13年の間に、全国酒類品評会で3回連続「優等賞」を受賞。3度の受賞により「名誉賞」を授与され、これを記念し高級酒ブランド「名誉醉心」を立ち上げられました。
日本画の巨匠・横山大観先生との運命的な出会いは昭和初期、当時、東京神田の醉心支店に足繁くご来店されたのが大観夫人でした。三代目山根薫社長が大観先生宅で酒造りの話をされたところ、大観先生は「酒造りも絵を画くのも芸術だ」と意気投合。感動した薫社長は一生の飲み分を約束、それは大観先生が永眠する昭和33年(1958年)まで続きました。
大観先生は「名誉醉心」を嗜んでいたとのこと。醉心は昔も今も「軟水醸造」の酒。おそらく大観先生は軟水で醸した醉心のなめらかな風味を気に入られ愛飲されたのでしょう。
現在、醉心は広島県中央部にそびえる鷹ノ巣山の麓の井戸より汲み上げる「稀に見る軟水」を、車で片道約1時間かけて酒蔵に運び酒造りをおこなっています。それは、大観先生が愛したキメ細やかでなめらかな飲み飽きのしない酒を醸すためです。
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